■まず左■
2012年2月ごろ、左肩が上がらなくなった。人に言われるまで五十肩だと気付かなかった。亡父も40台でやっていたが、なんとなく平和な名前のせいで私達家族は「半笑い」な対応であまり同情していなかった。しかし…これは業病である。
可動域より外側に腕を動かすととても痛い。特に両手で瓶を空けようとしてスポッと外れたり、引き出しが予想以上に軽かったりして腕が外側に開くと激痛が走る。緩い上着を着てて通りがかりのドアノブなどにストラップがひっかかって腕が可動域の外に伸びた時など蹲ってしばらく動けないほど痛い。落ちて本を空中でキャッチしようとして可動域の外まで腕をのばしてしまった時には自分の馬鹿さ加減と痛みに泣き笑いした。とにかく痛い。おやじ、すまん。
ただ、それら昼間のことには次第に慣れていく。慣れないのは睡眠中。寝返りを打てば激痛が走るし、まったく動かないでいるとしくしくと傷んでくる。眠れないし、一度目が覚めたらもう朝まで椅子に座っているしかない。もともと早朝覚醒気味だったが、痛みで眠れないというのは本当にシンドい。ただ、うつ伏せになり左腕をベッドの下に垂らして寝れば痛まないということがわかり、うつ伏せで寝ることによる悪夢にうなされながらも何とか眠れるようになった。冬になって、いつの間にか痛みは消えていた。
標準的な経過だと痛みで夜眠れない急性期はそんなに長く続かないはずなのだけれど、私は2月から9月ぐらいまで続いた。その間整形外科にいくとリハビリ(腕を釣り上げるもの凄く痛いやつ)を問答無用でやらされていたが、急性期にやっても意味がないどころか悪化するばかりだった。その代わりに風呂で温まってから痛くない範囲で腕を上げたり、机に片手をついて痛い方の腕をぶらぶらさせる体操はかなり熱心にやった。おかげで可動域は罹患前とあまり変わらないで済んでいる。自転車に乗ったり、腕を振ってウォーキングしてたのも良かったと思う。
しかし。
■右も■
2013年、今度は右肩が痛くなった。去年と同じく2月頃のことである。昨年のことで慣れていたと思いきや、左腕と利き腕とはやっぱり使い方が違うので、学習するのにやはり同じ程度の月日がかかってしまった。深刻なのは就寝時、去年は腕を垂らすという必殺技があったが、寝室のレイアウトの関係上右上で床に下ろすことができない。そのために模様替えしたくても肩が痛いので無理。■消炎鎮痛剤はあまり効かない■
ということで薬に頼ることになるのだが、ロキソニンもモーラステープも気休め程度にしか効いてくれない。そんな中、風邪をひいた。かかりつけの耳鼻科へいくと、セット処方の風邪薬と頓服としてカロナールが出た。このカロナールが劇的に効いた。もう身体がぽかぽか暖かくなる感じで、夜飲むと朝までまったく痛みを感じなかった。で、風邪が治った後、別のかかりつけ医に相談してカロナールを出してもらったものの、ほとんど効かなかった。医師と相談した上でロキソニンと合わせてみても、効かない。肩だけでなく首や背中も痛くなってきて、そっちにはモーラステープがよく効いた。でも、ロキソニンなどのNSAIDsは降圧剤を阻害するので、高血圧のコントロールが難しくなってしまう。結局、今年の夏は痛い痛いと言っているうちに終わってしまった。
■ペインクリニックへ■
夏は終わっても何も変わらないが、さすがに仕事にも支障がでるようになってきて、何とかならないかとGoogleであちこち検索していたところ、「ペインクリニックで五十肩の痛みがコントロールできた」というブログを発見。「そうだ!ペインクリニックという手があったか!」というわけで、翌月曜日さっそく吉祥寺のペインクリニックへ。医師に相談した上でトラムセットという薬を出してもらった。トラムセットはカロナールと弱オピオイド鎮痛薬(ごく弱い麻薬みたいなもん)の合剤。そういえば耳鼻科で出してもらった薬にはコデインが入ってた。これとカロナールの組み合わせが効いていたんだろう。トラムセットには飲み始めに吐き気などの副作用が出ることがあるので、それを防ぐプリンペランを出してもらった。トラムセットは朝晩、プリンペランは朝昼晩。なお、首や背中の痛みは、医師によれば「肩が動かない分、無理やり肩甲骨を動かそうとするから」とのこと。■トラムセット■
ペインクリニックから帰宅して早速服用すると…30分ほどで風邪の時のあの身体が温まるような感覚が広がってきた。さすがにバンザイすると激痛が走るけど、じくじく続く痛みがない。その夜は久しぶりに「肩が痛くて眠れず椅子の上で憔悴しつつ朝を待つ」ということがなかった。血圧にもロキソニンのような影響はないようで、今のところ130/80以下にコントロールできている。で、何日か様子を見たら、やっぱり飲み続けていると効いているのかいないのかわからない状態になってきた。どちらかといえば、トラムセットを飲まないで酒とレスタミンを飲み、モーラステープを貼った方がよく眠れる。
が、一度、酒が完全に抜け切らない状態でトラムセットを飲んだら、すごく効いた。「酒で効果が増強される」とあるから、効き目が強くなったのかしら…とか考えてはいけません。
■ノイロトロピン+カロナール■
次に試したのがこの組み合わせ。ノイロトロピンは神経痛や五十肩にも使われるようで、これは実によく効いた。もしや治ったんじゃないかと思うぐらいで、試しに腕をまっすぐ上にあげてみたら、痛みが来るよりも先に可動域(五十肩で狭くなった可動域)リミットが来た。特に副作用もなく、夜も良く眠れる。上記の五十肩体操も再開しました。
■むすび■
五十肩になったら自己診断はしないで一応整形外科の診察を受けること。ここで腱板断裂や石灰沈着性腱板炎など明らかな原因のある疾病だと診断されたら、その治療を。そうではなく五十肩と診断され、ロキソニンやモーラステープなどの消炎鎮痛剤を使っても夜眠れないほどの痛みが続くようなら、上記のような痛み止めについて相談してみましょう。整形外科でも処方してくれるはずですし、そうでなければペインクリニックへ。
長い文章を読んでくださってありがとうございました。貴方が一日も早く良い対症療法に出会えることと、五十肩を卒業できることをお祈りします。
